「小沢氏はシロではない」=谷垣氏(時事通信)
自民党の谷垣禎一総裁は9日午前の役員連絡会で、資金管理団体の政治資金規正法違反事件で不起訴となった小沢一郎民主党幹事長について「政治資金収支報告書の虚偽記載の共犯の嫌疑が不十分なだけで、決してシロではない」と述べ、今後も徹底追及していく考えを強調した。
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天下り“指定席”再調査へ、対象ポスト拡大(読売新聞)
総務省は、独立行政法人や公益法人などの幹部ポストに同じ省庁出身者が5代以上続けて就任していることが明らかになったことを受け、天下りの実態を再調査する方針を固めた。
調査対象とするポストの範囲を広げ、法人と所管省庁との関係も、補助金や許認可権の観点から洗い出し、天下りが固定化している実態を明らかにする考えだ。
同省は、昨年5月時点で同じ省庁からの官僚OBが338法人、422の幹部ポストに5代以上続けて天下りしていたとする調査結果をまとめている。ただ調査対象のポストは法人の理事長(会長)、専務理事、常務理事に限られていた。その後「副会長」「副理事長」などの役職名で天下りが固定化している法人もあることが判明したため、政府・与党内から徹底調査を求める声が上がっていた。
・ HIV感染者減る!新型インフルで関心薄れ?(読売新聞)
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・ <お別れの会>立松和平さん=3月27日、東京の青山葬儀所(毎日新聞)
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・ 検察側、無罪論告へ=きょう結審−足利事件再審公判・宇都宮地裁(時事通信)
調査対象とするポストの範囲を広げ、法人と所管省庁との関係も、補助金や許認可権の観点から洗い出し、天下りが固定化している実態を明らかにする考えだ。
同省は、昨年5月時点で同じ省庁からの官僚OBが338法人、422の幹部ポストに5代以上続けて天下りしていたとする調査結果をまとめている。ただ調査対象のポストは法人の理事長(会長)、専務理事、常務理事に限られていた。その後「副会長」「副理事長」などの役職名で天下りが固定化している法人もあることが判明したため、政府・与党内から徹底調査を求める声が上がっていた。
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聴覚障害者狙うマルチ商法詐欺 「ヴィヴ」幹部ら有罪判決(産経新聞)
東京のソフトウエア販売会社「ヴィヴ」による聴覚障害者らを狙ったマルチ商法事件で、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)罪に問われた実質的経営者の浦壁伸周被告(68)ら6人の判決公判が10日、大阪地裁で開かれた。横田信之裁判長は浦壁被告に懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役5年)、元社長の冨田将一朗被告(35)に懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役5年)、ほかの4人に懲役2年6月〜1年6月、執行猶予4〜3年(求刑懲役4〜2年)を言い渡した。
横田裁判長は、被害者15人のうち14人について、「高額配当を受け取れると思わせて現金をだましとった」と被告全員を有罪と認定したが、1人は「だます説明の間、被害者が会場にいなかった疑いもある」として無罪とした。
浦壁被告は「冨田被告らにすべて任せていた」、冨田被告らは「だましていない」として無罪を主張。被害者のうち4人の聴覚障害者に「説明内容を伝えるのは不可能に近かった」と訴えていたが、横田裁判長は「だます説明がなされ、現に高額配当があると認識していた」と退けた。
判決によると、浦壁被告らは共謀し、平成18年7〜8月ごろ、会員募集説明会で、高額の配当をする意思も能力もないのにあるように装い、計14人から約750万円を詐取した。
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朝青龍の知人を任意で事情聴取 暴行問題で警視庁(産経新聞)
大相撲の元横綱朝青龍(29)が初場所中に酒に酔って知人男性に暴行したとされる問題で、警視庁麻布署は9日、事実関係や示談内容を確認するために、この知人男性から任意で事情聴取した。男性からの聴取内容を踏まえた上で、朝青龍から事情を聴くか判断する方針。
捜査関係者によると、朝青龍は1月16日午前4時ごろ、東京都港区六本木の路上で、飲食店から出てきて車に乗り込もうとした際、見送りにきた飲食店の実質責任者の男性(38)を車の中に連れ込み、顔を殴ったとされる。
男性と朝青龍は同月29日、示談が成立しており、男性は「被害届を出さない」としている。
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【中医協】診療所の再診料、2点引き下げで決着(医療介護CBニュース)
中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は2月10日の総会で、来年度の診療報酬改定で診療所の再診料を2点引き下げることを決めた。一方、病院(200床未満)の再診料は9点引き上げる。これに伴い、現在は別々に設定されている病院(60点)と診療所(71点)の再診料は4月以降、69点に統一される。
また、2008年度の報酬改定で「外来管理加算」(52点)に導入された「5分要件」は廃止し、5分未満の診療でも算定できるようにする。ただ、薬の処方などをメーンに受診する“お薬外来”をなくすため、診察に基づく医学的な判断などの「懇切丁寧な説明」の実施を新しく求める。
4月の報酬改定をめぐる中医協の議論では、支払側が診療所の再診料引き下げを主張するのに対し、診療側が「断固反対」の姿勢を崩さず、調整が難航。8日の総会でも折り合いが付かず、決着は中立の公益側による裁定に持ち込まれ、10日に公益側が案を出した。
診療所を経営する安達秀樹委員(京都府医師会副会長)ら複数の診療側委員が公益側の案に抗議し、一時途中退席した。
4月の報酬改定では、診療報酬本体のうち「入院」部分の改定率を3.03%引き上げ、病院勤務医の負担軽減策などの重点課題に財源を重点配分する。これに対して「外来」部分の引き上げ幅は0.31%にとどまったため、限られた財源をどう配分するかが焦点になっていた。
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4月の報酬改定をめぐる中医協の議論では、支払側が診療所の再診料引き下げを主張するのに対し、診療側が「断固反対」の姿勢を崩さず、調整が難航。8日の総会でも折り合いが付かず、決着は中立の公益側による裁定に持ち込まれ、10日に公益側が案を出した。
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4月の報酬改定では、診療報酬本体のうち「入院」部分の改定率を3.03%引き上げ、病院勤務医の負担軽減策などの重点課題に財源を重点配分する。これに対して「外来」部分の引き上げ幅は0.31%にとどまったため、限られた財源をどう配分するかが焦点になっていた。
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個所付け通知、政府の関与否定=平野官房長官(時事通信)
平野博文官房長官は4日午後の記者会見で、2010年度に国土交通省が行う公共事業の実施場所(個所付け)を民主党が都道府県連に通知したことについて、「政府としては全く承知していない。(政府の資料が)出回っているとは思っていない」と述べ、政府の関与を否定した。一方で、「もし政府の資料がそういう出回り方をしているのであれば、不適切かもしれない」とも語った。
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【新・民主党解剖】第3部 沈黙の帝国(中)小沢氏との距離、手探り(産経新聞)
「いろいろと政治資金の問題で国民に心配と迷惑をかけたことをおわびする」
民主党幹事長の小沢一郎の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、小沢の不起訴と、その元秘書ら3人の起訴が発表された翌5日、首相の鳩山由紀夫は衆院予算委委員会で、こう改めて陳謝した。
鳩山の言葉は、前日に小沢が述べた「国民、同志に迷惑と心配をかけたことをおわびする」という言い回しとそっくりだった。鳩山は、実母から総額十数億円にも上る巨額の「子ども手当」を受け、秘書2人が起訴された事件も抱えている。党のトップとナンバー2を直撃した政治資金事件の沈静化は、政権の死命を決する大問題だ。
その4日前の1日夜、国会近くのホテル。環境相の小沢鋭仁、官房副長官の松野頼久ら鳩山グループの中心メンバー数人がひそかに集まり、一連の事件への善後策を協議した。
事件が小沢一郎本人に及んだ場合は、鳩山はどう振る舞うべきか。国民に、鳩山がリーダーシップを持って対処したと見せるにはどう演出すべきか−。
「鳩山さんには、ペラペラと適当なことをしゃべらせないようにしよう」
こんな意見も出た。鳩山と浮沈をともにする側近たちも必死で、何より恐れたのは小沢と鳩山の「共倒れ」だった。結局、最悪のシナリオは免れたものの、政権を振り回す小沢への微妙なしこりは残った。
■揺れと圧力
小沢の元秘書で衆院議員の石川知裕が逮捕された翌日の1月16日。鳩山は首相公邸を訪ねて潔白を訴えたた小沢に対し、「どうぞ戦ってください」と検察当局との全面対決を応援してみせ、行政の長として不見識だと批判を浴びた。
「ちょっと、口がすべっちゃったね」
鳩山は後に周囲にこう漏らした。だが、その後も鳩山の言動は極端な小沢擁護に走ったり、「同志ではあるが、一蓮托生(いちれんたくしょう)という話ではない」(1月22日の衆院予算委)と突き放したりと、振幅が大きく、揺れる心境を表していた。
「小沢一郎が倒れたら、鳩山も終わりだぞ」
1月下旬、党参院議員会長の輿石東は鳩山側近にこう圧力をかけた。
これは多数派を占める小沢一郎シンパの間でも「いざとなったら、鳩山は小沢を切るのではないか」という懸念はぬぐえなかった証左でもある。東京地検特捜部の捜査は、外部からは固い一枚岩に見える民主党に確実に亀裂を入れ、党内ではじりじりと神経戦が続けられていたのだ。
28日に小沢を含む与党3党幹部が都内の料亭で会食した際には、輿石や党参院幹事長、高嶋良充ら親小沢派議員が検察批判を展開、「指揮権発動だ!」と気勢を上げた。社民、国民新両党の幹部や衆院側の民主党幹部は、満足そうに赤ワインを飲み干す小沢をただただ見つめるばかりだった。
■連合の戸惑い
小沢との距離感をつかめず、戸惑うのは党最大の支持団体、日本労働組合総連合会(連合)も同じだ。
小沢が不起訴となった4日、都内の日本記者クラブで記者会見を行っていた連合会長の古賀伸明は、事件への連合の対応方針をただされた。
「民主党に適切な対応を図るよう求めていかなくてはならない、ということ以外コメントしようがない」
古賀は、こんな歯切れの悪い回答をするしかなかった。一方で、小沢との今後のつきあい方を問われると俄然(がぜん)、冗舌になった。平成19年に参院選対策で小沢と一緒に1人区を行脚した経験を振り返ってみせた。
「小沢さんには不思議な魅力がある。『なぜ小沢さんと話さないといけないのか』と言っていた地方の連合役員が、みんな小沢ファンになってしまう」
連合内では、小沢に対する支持と不支持の思いが交錯しているという。
この日、都内の労組事務所に連合傘下の産業別組合の政治担当者らが秘密裏に招集された。その場で連合本部が示した夏の参院選の情勢分析は、鳩山政権の現状に厳しいものだった。
「鳩山政権は『政治とカネ』の問題を抱え、参院選での有権者の民主党への意識は極めて厳しいことが予想される」
連合は昨夏の衆院選北海道5区で当選した民主党衆院議員、小林千代美陣営の公選法違反(買収の約束)事件で、連合北海道幹部の逮捕者を出している。「政治とカネ」の問題に普段より敏感にならざるを得ない。それが今回の政治資金事件への対応にも影を落としている。(敬称略)
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鳩山の言葉は、前日に小沢が述べた「国民、同志に迷惑と心配をかけたことをおわびする」という言い回しとそっくりだった。鳩山は、実母から総額十数億円にも上る巨額の「子ども手当」を受け、秘書2人が起訴された事件も抱えている。党のトップとナンバー2を直撃した政治資金事件の沈静化は、政権の死命を決する大問題だ。
その4日前の1日夜、国会近くのホテル。環境相の小沢鋭仁、官房副長官の松野頼久ら鳩山グループの中心メンバー数人がひそかに集まり、一連の事件への善後策を協議した。
事件が小沢一郎本人に及んだ場合は、鳩山はどう振る舞うべきか。国民に、鳩山がリーダーシップを持って対処したと見せるにはどう演出すべきか−。
「鳩山さんには、ペラペラと適当なことをしゃべらせないようにしよう」
こんな意見も出た。鳩山と浮沈をともにする側近たちも必死で、何より恐れたのは小沢と鳩山の「共倒れ」だった。結局、最悪のシナリオは免れたものの、政権を振り回す小沢への微妙なしこりは残った。
■揺れと圧力
小沢の元秘書で衆院議員の石川知裕が逮捕された翌日の1月16日。鳩山は首相公邸を訪ねて潔白を訴えたた小沢に対し、「どうぞ戦ってください」と検察当局との全面対決を応援してみせ、行政の長として不見識だと批判を浴びた。
「ちょっと、口がすべっちゃったね」
鳩山は後に周囲にこう漏らした。だが、その後も鳩山の言動は極端な小沢擁護に走ったり、「同志ではあるが、一蓮托生(いちれんたくしょう)という話ではない」(1月22日の衆院予算委)と突き放したりと、振幅が大きく、揺れる心境を表していた。
「小沢一郎が倒れたら、鳩山も終わりだぞ」
1月下旬、党参院議員会長の輿石東は鳩山側近にこう圧力をかけた。
これは多数派を占める小沢一郎シンパの間でも「いざとなったら、鳩山は小沢を切るのではないか」という懸念はぬぐえなかった証左でもある。東京地検特捜部の捜査は、外部からは固い一枚岩に見える民主党に確実に亀裂を入れ、党内ではじりじりと神経戦が続けられていたのだ。
28日に小沢を含む与党3党幹部が都内の料亭で会食した際には、輿石や党参院幹事長、高嶋良充ら親小沢派議員が検察批判を展開、「指揮権発動だ!」と気勢を上げた。社民、国民新両党の幹部や衆院側の民主党幹部は、満足そうに赤ワインを飲み干す小沢をただただ見つめるばかりだった。
■連合の戸惑い
小沢との距離感をつかめず、戸惑うのは党最大の支持団体、日本労働組合総連合会(連合)も同じだ。
小沢が不起訴となった4日、都内の日本記者クラブで記者会見を行っていた連合会長の古賀伸明は、事件への連合の対応方針をただされた。
「民主党に適切な対応を図るよう求めていかなくてはならない、ということ以外コメントしようがない」
古賀は、こんな歯切れの悪い回答をするしかなかった。一方で、小沢との今後のつきあい方を問われると俄然(がぜん)、冗舌になった。平成19年に参院選対策で小沢と一緒に1人区を行脚した経験を振り返ってみせた。
「小沢さんには不思議な魅力がある。『なぜ小沢さんと話さないといけないのか』と言っていた地方の連合役員が、みんな小沢ファンになってしまう」
連合内では、小沢に対する支持と不支持の思いが交錯しているという。
この日、都内の労組事務所に連合傘下の産業別組合の政治担当者らが秘密裏に招集された。その場で連合本部が示した夏の参院選の情勢分析は、鳩山政権の現状に厳しいものだった。
「鳩山政権は『政治とカネ』の問題を抱え、参院選での有権者の民主党への意識は極めて厳しいことが予想される」
連合は昨夏の衆院選北海道5区で当選した民主党衆院議員、小林千代美陣営の公選法違反(買収の約束)事件で、連合北海道幹部の逮捕者を出している。「政治とカネ」の問題に普段より敏感にならざるを得ない。それが今回の政治資金事件への対応にも影を落としている。(敬称略)
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普天間移設 日米関係、危機的状況ではない 米国防次官補(毎日新聞)
訪日中のグレグソン米国防次官補は1日、東京都内で開かれた日本国際問題研究所主催の講演会で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題について、「幅広い日米関係の中のごく一部分にすぎず、日米関係は報道されているような『危機的』状況ではない」と述べた。鳩山由紀夫首相が1月29日の施政方針演説で約束した「5月末までの移設先決定」を待つという。
同次官補は、移設問題について、「日米の共同作業であるべきで、米側が一方的に日本に押し付ける問題ではない」と述べた。米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)に移設するとした06年の日米合意については、「当時の日米両政府は最善策と考えた」と指摘した。
同次官補はこのほか、日米同盟を深める方策として、(台風や地震など)自然災害への対処で、米軍と自衛隊が共同行動を取るための法的枠組みの整備を提案した。また、オバマ政権が追求する「核なき世界」に関連し、「(北朝鮮の生物・化学兵器による攻撃に対して)我々は朝鮮半島で核兵器なしで勝利できると考える」と述べ、核兵器以外の大量破壊兵器に対しては、核による抑止は不要との考えを示唆した。【杉尾直哉】
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同次官補は、移設問題について、「日米の共同作業であるべきで、米側が一方的に日本に押し付ける問題ではない」と述べた。米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)に移設するとした06年の日米合意については、「当時の日米両政府は最善策と考えた」と指摘した。
同次官補はこのほか、日米同盟を深める方策として、(台風や地震など)自然災害への対処で、米軍と自衛隊が共同行動を取るための法的枠組みの整備を提案した。また、オバマ政権が追求する「核なき世界」に関連し、「(北朝鮮の生物・化学兵器による攻撃に対して)我々は朝鮮半島で核兵器なしで勝利できると考える」と述べ、核兵器以外の大量破壊兵器に対しては、核による抑止は不要との考えを示唆した。【杉尾直哉】
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明かされる遺体や傷の状況… アキバ殺傷・加藤被告、うつろな瞳で聞き入る(産経新聞)
【法廷ライブ 秋葉原17人殺傷 第3回公判】(2)10:15〜10:49
《加藤智大(ともひろ)被告(27)の犯行による被害者の傷の状況に関する証拠調べが続いている。村山浩昭裁判長ら3人の裁判官と、検察官、弁護人席に置かれたモニターには写真などが示されているが、傍聴席から見える大型モニターには、何も映し出されていない》
[フォト]フロントがボコボコに…犯行に使った2トントラック
《右胸を刺されて死亡したEさんに関する証拠の読み上げが始まった。加藤被告はうつろな瞳で、検察官を見つめている》
検察官「…その傷は、幅6センチ、前の右から後ろ側へ、深さは11・2センチ。肝臓や大静脈を貫通し、副腎なども損傷していました…。長さ11・2センチか、それ以上の刃物により形成されたと…」
《ここで、遺体の写真がモニターに示されたようだ。計2枚。村山裁判長らは、厳しい表情でモニターに見入っている》
検察官「東京都文京区湯島の、東京医科歯科大学付属病院の医師に問い合わせた結果、Eさんの死亡が確認されたのは、平成20年6月8日の午後4時30分です」
《8人目の被害者・Fさんは、後ろから背中を刺された。自ら携帯で「刺された、背中を刺された、息苦しい」と119番通報。その後、搬送先の病院で亡くなっている》
検察官「(Fさんの)傷は幅4・8センチ、左後ろから右前下方に向かって深さは10・9センチ。左肺を損傷しており、それが致命傷です」
「遺体の刺創部分の写真を1枚、示します…」
《Fさんに続いては、胸を刺され、全治6カ月の重傷を負った△△さん(法廷では実名)、背中を刺されて全治3カ月だった○○さん(同)、腹を刺され全治3カ月のGさん…。検察官は淡々とした口調で、被害者の負傷状況の説明を続けていった》
検察官「(△△さんの傷は)右肺と横隔膜を貫通し、肝臓にまで達していました。胸腔内に血がたまり、血気胸になっていました…」
「(○○さんは)15分間は心肺停止状態で、蘇生(そせい)術を実施し、心肺再開後に開胸手術を行い…」
「(Gさんは)入通院中は精神科医によるケアを実施しています」
《深刻な後遺症に苦しむ被害者の実状も明らかにされた。後ろから腰を刺されたHさんだ》
検察官「神経を包んでいる硬膜を損傷し、脳脊髄(せきずい)液が漏れ出ております…断裂された神経は再生せず…」
「負傷により、下肢まひが完治せず、排尿や排泄(はいせつ)には、おしめが必要です。装具なしには歩行できません。重篤な後遺症が残存するとしています」
《日常生活に大きな影を落とすケガを負った被害者たち。加藤被告は背筋を伸ばし、証拠を読み上げる検察官を見つめている》
《検察官は重軽傷を負った被害者2人や、亡くなった松井満さん=当時(33)=の負傷の状況などの読み上げに移っていく》
検察官「松井満さんの司法解剖の結果です。腹部刺創による動脈の切断…。傷は約6センチで、6センチ以上の刃器によるものとみられます。次にご遺体の腹部の状況を示します」
《検察官は裁判官らのモニターに遺体の傷の状況を映し出す。傍聴席に向けて設置された大型モニターの電源は切られたままで、映像を見ることはできない》
検察官「松井さんが搬送された病院によると、松井さんの死亡確認は平成20年6月8日午後5時32分でした」
《加藤被告は身じろぎせず検察官の方へ視線を送っている。表情は変わらないが、せわしなく瞬きを繰り返した。引き続き、検察官は全治約2カ月のケガを負ったIさんの診断などを読み上げた》
検察官「次に(亡くなった)Jさんの司法解剖の結果です。死因は前胸部の刺創です。傷跡は約12・5センチ、深さは約9センチで刃器によるものです。Jさんのご遺体の傷口の部分の写真を示します」
《裁判官3人はモニターに鋭い視線を送っている》
検察官「Jさんは、搬送された病院で死亡が確認されました」
「次に、被害者のKさんの状況です。最初に治療を受けた病院の診断では左背部刺創…」
《背後から加藤被告に刺されたKさんが、病院で診察を受けた際のCT画像や傷口の画像が小型モニターに映し出されているようだ。弁護側の長いすに座った加藤被告は、自身の前にモニターが設置されておらず、前をじっと見たまま微動だにしない》
検察官「Kさんが(平成20年)6月20日に退院した後、転院した病院で6月24日に初診を受けました。7月には右腎臓の損傷も完治し、8月6日にはそのほかの傷もほぼ完治しており、全治まで約2カ月間だったといえます」
《Kさんの被害状況についての説明に続き、男性検察官は、加藤被告が犯行時に使用したダガーナイフに付着した血液などの鑑定結果について、報告書の説明を始める》
検察官「被害者のEさん、JさんのDNAと比較した結果、2人のDNA型を含んだ血液が付着していました」
《証拠の読み上げを終え、男性検察官はゆっくりとその場に座った。読み上げられた証拠を受け取った村山浩昭裁判長は、分厚い資料にざっと目を通して確認する》
裁判長「今日の書証の読み上げは終了でいいですか」
《村山裁判長は証拠調べの終了を確認した上で、午前11時10分まで休廷をはさみ、目撃者の証人尋問を行うことを告げた。加藤被告はいち早く、すっと立ち上がると左手の刑務官側を向き、手錠を付けるために素早く両手を差し出した。腰縄もされて退廷する際、傍聴席に青白い顔を向け、軽く一礼し、法廷を後にした》
=(3)に続く
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